kenkino’s diary

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暑さ対策グッズを試した記録 ~遮熱素材生地ファン付き半袖ウェア編~

内容

近所にワークマンができた

去年、ファン付きベスト購入して使った記事をアップした。

kenkino.hatenablog.jp

その際「袖無しベストではなく、半袖だといいのかな」と書いていた。 今年の春頃くらいに近所にワークマンができたので覗きにいったところ色々品揃えがあるところにファン付きウェアコーナーが、みたところ半袖のファン付きウェアが置いてあった。 ファンとウェアは別売りだったが「とりあえず、ベストに付いていたファンを付けてみて合わなかったら買うか」ということでウェアだけ購入。

モノ概要

モノとしては

  • ウェアは遮熱素材で日差しを遮る

  • 首の後ろに冷却材を入れるポケット付き

  • ファンを付けてないときは畳んで収納可能なポケット付き

といったところ。

購入後、ファンを取り付けてみたが問題なく取り付けることができた。ワークマンオリジナルのファンが専用バッテリーなのに対して、こちらはUSBモバイルバッテリーで動作するので風量としてはワークマンなのかもしれないが、使い勝手はこちらの方がよいということになるだろう。

使用感

真夏の炎天下に着て外出してみた感じでは確かに太陽の輻射熱はかなり和らいでいて、半袖の脇から空気が抜けていく際に脇の汗が蒸発していく感覚があり、ベストより格段に涼しさを感じることができた。 保冷剤を使った冷却ベストと冷感インナーシャツを着ると更に効果があり、首の後ろに保冷剤を入れられるのも相まってこの組み合わせは炎天下の屋外で作業をするなら、現時点で最もコストパフォーマンスが高いと思う。

ワークマンはアウターに関しては季節季節に合った製品を扱う方針らしく紹介したウェアは現時点では店舗・通販共に取り扱いはないが、春先〜初夏辺りに新しいモデルが出始めると思われるのでそれを狙って購入してみるというのがいいのではと思う。

暑さ対策グッズを試した記録 ~ペルチェ強化ネッククーラー編~

去年、下記の暑さ対策グッズを試していた。

kenkino.hatenablog.jp

kenkino.hatenablog.jp

kenkino.hatenablog.jp

kenkino.hatenablog.jp

今年は「これだけ持ってるからいいかな」と思っていたのだが、何故か新しいグッズをいくつか買ってしまいこの夏試していた。 暑さ対策どころか温まる方法が欲しい時期だが、今後の参考ということで書いておこうと思う。

ペルチェ強化ネッククーラー

まず最初となるのは、ネッククーラーである、去年サンコーのネッククーラーneoを購入して今年も使っていたのだが、Amazonをみていたらこういうものを見つけてしまい購入してしまった。

モノとしてはネッククーラーneoでは首の前にしかないペルチェ素子の冷却部分が、これは首の後ろにも付けられており「これはよさそうだ」と思い購入したものである。

そしてネッククーラー到着、中の確認へ

冷却部分は確かに首の前と後ろに

スイッチ回り、このネッククーラーは外部バッテリーをつないで使うのはneoと同じなのだがneoはコードが直付けでそこにスイッチが付いていたのに対して、これはスイッチが本体についていてバッテリーとはクーラー側はL字型コネクタのUSBケーブルで接続するというもので、この類のケーブルならどれでも付けられる様になっている。

首に付けて動作させたところ、前の冷却板のみの冷えていてもネッククーラーneoより冷える感があり、しかも動作音もかなり静かで「やっぱりネッククーラーneoより、進化してるな」と思い意気揚々だったのだが、使っているうちに色々とマズそうな部分が出てきた。

電源スイッチ回り

ネッククーラーneoではモバイルバッテリーと接続するコードにスイッチがあり、そこで電源のON/OFF強弱の調整ができて現在どのモードか確認できたが、これは本体にスイッチがあり、首につけるとスイッチが首の後ろに来るのでモードの確認が首の冷える感覚でしか確認できず、モードをちゃんと確認しようとすると一旦首から外して確認する必要があり、それが結構面倒だった。

接続するバッテリー

当初、ネッククーラーneoで使っていたモバイルバッテリーを接続して使っていたのだが、バッテリーが異常に発熱し、箱を見たところ「ご使用には5V/3A以上供給可能なUSB電源をお使いください」の文字がorz

「確か環境ロガーのバッテリーが3A供給だったはず」ということで環境ロガーのバッテリーを接続して使ってみた

使ってみたところ確かに発熱はしなくなったものの大体2時間弱でバッテリー切れで停止する状況で「もうちょっと長くつかってみたい」ということで大容量バッテリーを探して購入。

到着したバッテリーで使ってみたところ4~5時間くらいは動くようにはなったのだが、バッテリー自体が嵩張るため気軽に付けて出るというわけにはいかなくなってしまった。

これらの点を考えると、個人的には使い勝手の悪さが性能的な優位を上回っており「常用するにはいま一歩」と感じてしまった。

とりあえず。使い方としては普通に出かける際はネッククーラーneoを、大容量のバッグとかをもって歩く場合はこれを使うという使い分けるということになってしまった。

動作音も静かで冷却能力も申し分なくその部分ではよかったのだが電源を選ぶというのは非常に残念で、来年辺りにこれらの点が改良された製品が出てこないかなと望みたいところである。

寝る時の足冷えに意外と効くグッズの話

今週のお題「あったか~い」

ここ最近、急に冷え込んで来て着るものとかも色々変える必要が出てきた。 加えて寝る時も毛布とかを出してきている人が多いのではないかと思う。

しかし毛布や布団は外気を遮るのにはいいのだが自分の場合は風呂上がりやシャワーを終わってすぐならともかく、体が冷えきっている時は布団とかに入っても冷えていてすぐに眠れず特に足が冷えてしまい温まって寝るのに時間がかかっていたのだが、ちょっとした気づきでそれらがエラい改善したのでこれから書いていきたい。

キッカケ

現在、現場作業のバイトに行っていることは何度か書いているがバイトの時間帯が夜で一応仮眠する時間がある、しかし昨今のコロナのためバイト先も感染対策で換気のために窓を開けており、一応暖房は効いているのだがここ数年基礎代謝が落ちているせいか、冷気が当たると体がすぐ冷えてしまい眠りづらい状況があった。

「どうにかならんかな〜」と思っていた際に、緊急用として何度でも使えるタイプのエマージェンシブランケットを持ち歩いており、この際なので試してみようと仮眠時に試してみた。

効果は抜群で外気の寒さはシャットアウトされたうえに体温を反射しているだけなのにすぐに体が暖かくなり「結構使える」ということで最近のバイト先の仮眠時間にはこれを常用している。

かなり効果があったので自宅用にもう一つ買って使おうかと思ったのだが「この際だから他のものも試してみるか」ということで二つほど購入して試してみた。

その1~体温反射タイプの寝袋

まず初めに買ったのは、体温反射タイプの寝袋

最近、昔を思い出してキャンプを始めていて寝袋も買ったのだがその寝袋は春〜秋用で今の時期だと適応範囲外のため「今の時期にキャンプするなら今ある寝袋にこれを入れて使えそうだな~」と思い購入

収納サイズとしてはコーヒーの250ml缶を少し大きくした大きさで、かなりコンパクトだが拡げると一人用の寝袋サイズとなる。 表はオレンジで防水透湿素材らしく中は反射素材に六角形の柄が入っているといったものとなっている。

冷えた室内で試したところ、入って2~3分するかしないかくらいで寝袋に入っている部分は暖かくなりしかも六角形の柄から通気をしているためか結露もせず、あまりにも快適なため寒い室内に出るのに一苦労した。

個人的には電熱ヒーターで足を温める暖房器具があるがそれより効果あるのといった感覚で、寒い時のデスクワークでこれに足を入れておくとかなり快適で今の時期には手放せないアイテムとなった。

バイト先に持っていくには大きさ的に無理なのだが、今の時期のキャンプで寝袋のオプションとして荷物の合間に入れて持っていくにはいいグッズで値段もそんなに高くはないとは思うのでもっていて損はないのではと思う。

その2~ 体温反射タイプの膝掛け

体温反射タイプの寝袋を寝る際に使うことでかなり快適ではあったのだが、寝る際に布団の中にある寝袋に一々入っていくというのはちょっと面倒で「もう少しお手軽なものがないかな」と思って探した際にひざ掛けタイプのを見つけて購入。

モノとしては大きさは普通のひざ掛けと同じ大きさでフリースタイプの膝掛けの裏側に熱反射素材がついているといったところで、普段使いでもひざ掛けとして使えるのだが寝る前には布団に入る際にこれで足を包んで布団に入ると冷えていても直ぐに足が温まってきて、これまで冬場は寝るのに時間がかかっていたのが足が温まるためかスムーズに寝られるようになった。

今まで、湯たんぽや靴下にカイロを貼り付けたり色々やっていたが、湯たんぽはお湯を用意するのに時間がかかりカイロは基本使い捨てなので買い足す必要があったのだが熱反射素材のグッズだとそのようなことをする必要もなく効果的に足を温めることができるようになった。

もちろん個人差はあるので、全ての人がそうなるということはないと思うが今の時期に足の冷えに困っている人はそれほど価格が高いものでもないので試してみて損はない思う。

この記事で今の時期を快適に過ごせる人が出てきてくれればと思う。

バイト先のロッカー内で除湿剤を試してみる

キッカケ

環境ロガーでバイト先のロッカールームが空調整備されていたのはわかったのであるが

kenkino.hatenablog.jp

計測を毎日行っていた中でフト「ロッカーに除湿剤を入れてみたらどうなるのか?」とふと思った。

除湿剤は自宅の押し入れとかに入れて定期的に交換しているが、中の薬剤が水になっていたりゼリー状になっていたりで、湿気は取っているのだろうとは思っていたのだが、使っていてどれくらい湿度が下がっているのかは正直疑問で、今回ロッカーを使って試してみようかと思ったのである。

試す環境と使用するモノ

今回計測するロッカーはバイト先にあるもので内部は大体縦165cm × 横20cm × 奥行き45cmくらいで中は上下に鉄のワイヤーラックとフック、ハンガーを吊るせる棒があり、扉は上と下に通気用のスリットが空いているものである。

除湿剤については、バイト先に持っていく必要とロッカーの大きさから、ハンガータイプのものと

コンパクトタイプの二種類を用意してみることにした。

除湿量については、ハンガータイプが一包装500mlでコンパクトタイプが一包装350mlで使用したのは

  • ハンガータイプ × 1
  • コンパクトタイプ × 2

で、合わせると1.2Lほど除湿が可能な計算となる。

計測

計測は作成したraspberry pi zero whを使用した環境ロガーを使い、除湿剤のある時とない時の湿度を計測してみた。双方ともに梅雨時の湿度が高くなる雨の日について計測結果をみてみた。

結果

ということで、除湿剤を入れる前の結果はこちら

f:id:kenkino:20211120152826p:plain

そして除湿剤を入れた後はこうなった。

f:id:kenkino:20211120152845p:plain

除湿剤を入れた後は、扉を開けるとロッカー外の外気が入るためか、計測開始直後は除湿剤を入れる前と同じくらいの湿度になるが、その後扉を閉めると除湿剤が効くのか湿度が下がっていくという傾向が見られた。

自分的には「まぁ、5%くらい下がってくれれば御の字かな」と思っていたところだったのだが、除湿剤を入れた場合は入れない場合と比べて10%程度湿度が低くなっており、意外と効果が出てきて驚いたといったところである。

交換頻度については、ハンガータイプは使い始めてから1ヶ月くらいでゼリー状になっており頻繁に交換していたのだが、コンパクトタイプについては1ヶ月たっても中に少し水滴が付いている程度で3〜4ヶ月くらいで除湿剤が全て水になっていたという状態だった。

よく「湿気は下に溜まる」ということでコンパクトタイプの除湿剤をロッカーの下に置いており、コンパクトタイプの方が湿気をよく取るのかと思ったのだが、実際のところハンガータイプの方が早くゼリー状になっており、もしかするとハンガータイプのみでも同じような結果が得られたのかなとも思うが、その辺は追々試す必要があるのかと思った。

一般の家庭用クローゼットとかでも同じ結果となるのかという点については、今回のロッカーのサイズと一般の家庭では常時エアコンが動作していないということを考え合わせると、普通のクローゼットでは今回試した数の5~6倍くらいの吸湿量は必要になるのではと思う。

もう湿気どころか乾燥が気になる季節だが、次のシーズンに向けての対策で何か参考にしてもらえれば幸いである。

バイト先ロッカーの環境ロガーを作ってみた


去年末からこれまでやっていたバイトに加えて、もう一つ現場作業のバイトを掛け持ちで始めたのだが、ちょっと気になった点が。

それはそのバイトに入る際にはロッカーで一旦私物を置いておくのだが、そのロッカールームが地下にあるため、冬とかはいいとして、梅雨時とかにかなり湿度が高くなってしまいロッカー内がかなり湿った環境になってしまわないかというものだった。

「なんかロッカー内の環境を確認する手段ってないかな~」と考えていたところ「自宅に転がっている raspberry pi zeroとセンサー付きpHATでロガーが作れるのではないか」ということで自作に挑戦してみることにした。

ハード

raspberry pi zero wh

発売当初に「とりあえず買ってみるか」とうことで買ってみたのだがそのままになっていたもので、サイズ的に今回の用途にぴったりそうだったので今回使ってみることにした。

センサーHAT

以前 raspberry pi イベントで購入、マルツか若松のキットの完成品だったと思うが既に販売終了してるようで詳細不明

分かることとしては温度・湿度・気圧が計測できるBME280というセンサー

小型液晶ディスプレイ(秋月電子で販売しているAE-AQM0802+PCA9515相当品と思われる)

akizukidenshi.com

加えてスイッチが2つ付いており、GPIO端子に差せるソケットが付いているといったところ。

バッテリー

計測場所がロッカーであり、ロッカーに電源プラグなどはついてないので、電源はバッテリーを使うことにした。

自宅にいくつか転がっているモバイルバッテリーを使おうかと思ったのだが、一回の使用でどれくらいバッテリーを消費するのかというのが知りたかったためこれを買ってみた。

ロガーの仕様

計測場所がネットワークとは無縁である地下のロッカーということと、持ち込む機器等の制約からとりあえず以下のようにした

  • raspberry pi zero whに電源を接続したなら自動で計測開始
  • 一定間隔で計測し、計測結果は計測開始からの経過時間・気温・湿度・気圧の順でraspberry pimicroSDカードにcsv形式でファイルに出力・保存
  • pHATに付属のボタンを押すと計測終了&シャットダウン
  • 可能であれば液晶ディスプレイに気温・湿度を表示

という辺りを目標に作ってみることにした。

実装

決めた仕様を満たせるものがあるのか調べてみたところ、計測部分はセンサー用のpythonサンプルコードがあり、これの計測部分をループさせると良さそうと目処がついた。

github.com

ということでraspberry piで使用するためにGPIO機器を使用するためにI2Cを利用可能に設定

まずはパッケージをインストール

$ sudo apt install i2c-tools

次にrasp-configを起動してI2Cを有効にする設定を行った

$ sudo raspi-config 

コマンド実行するとメニューが表示されるのでInterfaceのI2Cをenableに設定する

更にpythonでI2Cを使用するために下記をインストールする

$ sudo apt-get install -y python-smbus
$ sudo pip install smbus2

そうして下記コマンドでGPIO機器の状態を確認する

$ sudo i2cdetect -y 1
     0  1  2  3  4  5  6  7  8  9  a  b  c  d  e  f
00:          -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
10: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
20: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
30: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 3e -- 
40: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
50: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
60: -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- -- 
70: -- -- -- -- -- -- 76 --                         

液晶ディスプレイへの表示については液晶ディスプレイの型番を調べてサンプルコードを探してみたところ、適当なものがあったので計測用のコードに組み込んで見ることに。

www.denshi.club

自動起動は、karaage703さんのraspberry piでの自動起動の記事を参考に、起動時に手を加えたpythonスクリプトを起動して計測結果をファイルにリダイレクトするシェルスクリプトを作成して起動するようにした。

qiita.com

ボタンについては、当初Node-Redを使って試してみたところ、始めのうちはボタンを押すとうまくシャットダウン動作ができていたのだが、何度か起動・シャットダウンを繰り返したあと、何故か起動すると即座にボタンが押されたと認識してシャットダウンするという現象が発生orz Node-Redの使用は諦めることに。

「うわぁ~~どうする」と思ったが、raspberry piのGPIOの検知で検索をかけたところスイッチONを検知するpythonスクリプトを使用する記事を発見

qiita.com

自宅のpHATではそのままではスイッチ検知できなかったが、GPIO番号を順に入れてスイッチの番号を確認、計測開始用のシェルスクリプトにこのpythonスクリプトの起動とスイッチのONを検知したなら計測を停止して終了メッセージを液晶ディスプレイに表示してシャットダウンする機能も加えて、ひとまずロッカーでの計測を行えるようになった。

計測、そしてOSC.do前夜祭での指摘

完成したロガーとモバイルバッテリーをバイト先に持っていき、ロガーを湿気が溜まりやすいとされている下の方に置いてモバイルバッテリーをつないで計測を開始、バイト明けにスイッチを押してロガーを止めて帰宅。

帰宅後、自宅で起動してリモートでロガーにアクセスして作成されたファイルをダウンロードして中をみたところ記録はされており、csvなのでLibreoffice表計算機能で表示してグラフを作ってみたところ、一応グラフとしては問題ないかなといったところになっていた。

その頃、ちょうどOSC Online/do の前夜祭があり、LTの発表者が途切れたタイミングでやったこととグラフを出したところ

「気圧のグラフが細かく変動していて、温度・湿度もあり得ない変動がある」

「計測しているセンサーの校正ができていないのでは?」

と指摘を受けてしまいセンサーの計測周りを確認することに。

修正そして再計測

指摘があったあと、ソースを調べてみた限りでは校正のコードも入っており「校正できているのに何で値がバラつくんだ?」と原因が分からない状態でフト「センサーの仕様を調べてみるかと」センサーの仕様について調べてみた。

trac.switch-science.com

見てみたところ動作モードでということでいくつかあり、どうもサンプルソースは初回校正をかけるだけでよい設定となっていたらしく、校正部分を計測開始時のみにしたところ、結果が安定するようになった。

この状態でバイト先のロッカーでしばらく計測、結果は温度はかなり安定しており、それなりに管理されていることはわかり、梅雨時や夏場などでも一応問題はなさそうではあったが、計測は続けてみることにした。

とりあえず。スクリプト一式はこちらに纏めたので、ご興味があれば試してみてほしい。

github.com

上記スクリプトを使う場合に一番問題となるのは使ったセンサーHatが現在は販売されていない点なのだが、似た構成でディスプレイのないタイプのものがAmazonで販売されている。

アップしたスクリプトのディスプレイ表示部分とスイッチの部分を変えるとうまくいくのではないかと思う。 ただしここら辺は動作は保証できかねるので自己責任でお願いしたい。

日本史サイエンス

去年・今年は状況が状況なので、外にあまり出ないようにということで、自宅にいるなら積ん読状態の本を読む機会が増えているのだが、その中にこういう本があったので読んでいた。

内容

内容としては「これまで日本史の主要な出来事を科学的に見ていこう」という内容で、作者は造船に携わっていた元エンジニアで「アルキメデスの大戦」の技術考証も担当した方が、その視点で日本史を見ていってどのような見方ができるのかというのが主なところで、本書では蒙古襲来(文永の役)・秀吉の大返し・戦艦大和についてそれぞれ考証を行っている

注:これから先かなりのネタバレになるので、ネタバレ知らずに読みたいという方のみ読んでみてください。

蒙古襲来

まず始めは蒙古襲来の考証から、最近だと漫画の「アンゴルモア」やゲームの「ゴースト・オブ・ツシマ」の題材となっている蒙古襲来だが、蒙古襲来は「日本側は不利だったが神風のお陰で命拾いした」という話が大抵の人が持っているイメージかと思われる。

この本では蒙古襲来については文永の役を主に対象として検証を行なっている。 まず歴史書の記録から「本来なら6月の予定だった日本侵攻が高麗王の死去により10月に延期されたこと」から始まり、当時の造船技術や当時の船を建造するのに必要となる森の面積等を考察して「当時日本侵攻の拠点となった高麗にあったリソースではフビライが提示した期間で要求した数の船を作るには材料や職人が足りなかったのでは?」という分析が行われ、当時建造されたであろう船をCGで再現して積み込んだ物資や乗員数を見積もり、実際に侵攻した蒙古軍の規模を推定、そして当時の記録から日本側の規模を推定・比較を行っている。

更に当時の船と対馬海峡の波の周期から「当時の船の性能からモンゴル軍は船酔いで消耗していた可能性」も含めて「文永の役ではモンゴル軍と幕府軍の兵力差はそれほどなかったのではないか?」と考察している。

そして博多湾の地形や船の停泊に必要な面積そして人馬や物質を揃えるのに必要な土地面積等を考慮して「モンゴル軍の上陸地点は歴史書の記述と違うのでは?」推定したあと、その地点で陸揚げに必要な時間を考察して「当時侵攻してきたモンゴル軍が全て上陸は出来なかった」「幕府軍は一騎打ちが基本と思われていたが意外に騎馬集団で突撃をしていた」ことや双方の装備や諸々を考慮して「文永の役ではモンゴル軍は幕府軍に負けており」加えて「モンゴル軍は幕府軍に負けて船に乗って撤退したがその途上で、この時期の対馬海峡特有の荒波で壊滅した」と結論を下している。

ここまで書くと「えっ?」という方もいるかもしれないが、実は文永の役についてはウォーシミュレーションゲームデザイナーから作家となった佐藤大輔氏が当時の記録や推定される双方の兵力を推定して「モンゴル軍の兵力が少なく、騎馬軍団も能力が発揮できる地形が少ないために幕府軍に負けて撤退したのでは?」という考察を出していたりで、近年ちらほらと出てきている説だったりする。

佐藤大輔氏の考察についてはこちらに記述がある。

この本で目新しいのはそれらを下敷きに船の性能や船団を止めるのに必要な面積や、上陸後に必要な面積等の詳細な考察を元にそれらを導きだしていることで、本のタイトル通りの分析が行われているのではと思う。

秀吉の大返し

次は、これまた有名な秀吉の大返しの検証、去年の大河ドラマがちょうど明智光秀が主人公で、いままでなら壮大な合戦シーンがお決まりだった山崎の合戦がナレーションで済まされてその後のエピソードに続くという、「歴史の大事件をナレーションや伝令の報告で済ませてしまう」という最近の戦国時代モノの大河の流行りとでもいう流れだったが、合戦と共に有名なのが「本能寺の変を知った後、信じられない速さで戻ってきた秀吉軍」ということで、これに対しての検証。

まず秀吉が陣を張っていた高松城から、山崎の合戦現場までの距離と本能寺の変を知ってから移動するまでの時間と、当時の街道から考えられる進軍ルートと移動に必要な物資を検証している。

進軍ルートについての検討については、ルートについては大体資料が出そろっておりあまり目新しい点はないといったところ、ただ一箇所難所があり、そこを陸路で通過するのは時間と体力を消耗するのではという考察から人間のエネルギー消費と必要な物資についての検証が始まる。

進軍時の消費エネルギーの考察では、高松城から合戦場までの距離を基にした進軍速度より人間のエネルギー消費の係数と掛け合わせて秀吉軍の疲労度を検証したところ、仮に歴史書の記述通りに進軍すると、秀吉側はその難所で大幅に体力を消耗して合戦場に予定通り到着すると疲労で戦える状態ではなくなっているという結果となるが、秀吉は山崎の合戦に勝利しておりどのような方法を取ってこの問題を解決したのであろうかという考察が始まる。

その解決策として造船関係のエンジニアらしい考察が「陸路ではなく、船を使ってショートカットしたのでは?」というものである、ただし秀吉側全て軍勢の移動は不可能で、当時の船の性能から考えると秀吉とその周囲の武将、つまり司令部のみが船で移動しその他は陸路で後から追いつく予定だったのではなかったのかと推定している、その証拠に山崎の合戦での秀吉側の軍勢の大半が合戦場周辺の大名の軍勢で、つまり秀吉は総大将ではあったが実態は周辺大名の連合軍で戦っており、本隊は後詰めとして加わる体制だったと考察している。さらに大返しで必要になる物資の検証では、どれだけ秀吉が当時の物資運用の巧者でも本能寺の変を知った時点から用意できる量ではないと結論づけている、これらの

・秀吉側の軍勢をこの期間で動かすための物資の量は、本能寺の変から山崎の合戦の間に用意できる量ではない

・秀吉を中心とした司令部を船で移動させるといっても、すぐにそれらの船が用意できるのか?

・合戦場周辺の大名の連合軍といっても、本能寺の変から山崎の合戦までに合戦場周辺を治めている大名の取りまとめるのが早すぎる

という考察から「これらの行動は、事前にその様な想定を考えて用意をしていないと実行できないものである」と結論付けており「本能寺の変の黒幕ではなさそうだが、京都で何かが起こりそうなことは察知して予め何か用意していたのではないか?」と考察している。

本能寺の変については、色々と説が出ていて様々な陰謀論とかも数多く出ているが、この本のように人間の疲労度や必要となる物資ようなあまり目だ立たない部分について考察や検証を行った話はあまり聞いたことがなく(まぁ、自分が知らないだけでやってる方々がいるのだろうが)そういう点に注目して検証を行って考察を行なっているところは興味深い点だと思う。

戦艦大和

最後は戦艦大和についての検証、こちらは筆者が造船系のエンジニアであり「アルキメデスの大戦」の技術考証も行なっていたためかこれまでの検証とは少し変わって、大和が建造されるまでの経緯や使われていた技術そして建造後の問題点について検証されている。

まず建造される経緯については、キッカケは日本海海戦の勝利で「日本海軍は『強力な戦艦を保有することが、戦争の勝敗を決する』という経験を基に強力な戦艦作りに邁進するようになりその究極が大和であった」というまぁ知ってる人なら知ってる経緯のおさらいから始まり、続いて大和に盛り込まれていた技術の検証や当時の日本の艦船建造時の問題、そして大和を作ったのは時代遅れの考えだったのかという考察に進んでいく。

結論としては「現在の視点では間違いではあったが当時の視点では致し方ない部分があった」「しかし作ってしまったのなら、もっと有効活用する方法があったのではないか?」と結論付けてエピソード的に大和建造の際に培われて戦後に生かされた技術の紹介がされている。

全体として

日本人に馴染みの深い3つの歴史的な出来事に対して、サイエンス的な視点で検証・考察を進めていくという内容については、確かに題名通りになされており、本の目的としては達成できているのではないかと思う、そしてあとがきに書かれている著者の懸念についても同意である。

作者の懸念というのは「日本では歴史的な出来事や成功事例に対して、精神論的な教訓やスローガンのみが取り上げられ、その裏にある物量の移動やそれにまつわる現実の問題解決に行われる部分のサイエンス的な考証や検証が蔑ろになっているため、同じ失敗を繰り返しているのでは?」という懸念である。

個人的にサイエンスの視点が足りないというのは、日本ではとある成果が上げた技術なり出来事があっても、それを汎化して全体のレベルアップに貢献せず「○○さんの職人業」レベルで止まってしまう例が多い様に感じる点で同意である。

いくつか例を著者の専門領域である造船で上げていくと明治の頃に「伊吹」(最近漫画や映画で話題になっている名前だが)という巡洋戦艦(戦艦より装甲を薄くしてその分速度や小回りを効かせて戦艦以外と有利に海戦ができるようにした艦種)がある、この船は建造開始から半年で進水したのだが、それだけのスピード建造にも関わらず工員達の残業・休日出勤なしで建造されている、しかしその際のノウハウがどうなったかについて全く残っている気配がない。

もう1つ造船ネタであるとすると太平洋戦争では戦時標準船という船が作られているが、建造に時間が掛かりすぎて消耗を補うことができなくなり、次第に粗製乱造となっていくのだが、第一次大戦の際日本の造船所でマトモな貨物船が1ヶ月で建造されたという記録があり、戦時標準船建造においてその際の経験や研究がなされていたという話を過分にして聞かない。

それに対して、アメリカは結構その辺りはきっちりやってる部分があり、例えば太平洋戦争で初期のアメリカの戦闘機が日本のゼロ戦に敵わないという現状に対して「ゼロ戦に単独で当たらない」「ゼロ戦に遭遇したら、編隊は横一直線に並び、ゼロ戦がどれか一機の後ろに着いたら、隣の機に向かって旋回してゼロ戦を隣の機の正面におびき寄せて撃墜する」という戦法を取ることによってゼロ戦に何とか対抗したのみならず、この戦法「優勢な敵と遭遇した時の対抗方法」として維持してベトナム戦争で米軍のプロペラ機がベトナム軍のジェット戦闘機をこの戦法で撃墜していたりする。

日本では職人技で終わるのに対し、アメリカではシステムとして組み込まれるその違いは何だろうかというのは色々要因が絡み合って決定的なものを見つけるのは難しいとは思うが、この本はそれに対して一つの見通しを示しているという点で読んでみて損はないと思う。

こういう本が増えて多く読まれるようになるなら、少しサイエンス的な分析が盛んになっていくのかなぁという気がする。しかしサイエンスという言葉だけで何やら難しいことと思ってしまいそうな方々でも読める本なので読んでみてほしい。

e-taxで確定申告


昨今、状況が状況だけに他の人との密接を避けるようにということで、軒並み大人数が集まることは避けるようにとのお達しで、替わりにオンラインの活用という話が増えてきている。

事業者さんにとってお馴染みの確定申告もそのひとつで、今回e-taxを使った確定申告をやってみたので書いていこうと思う。

「確定申告は大体、法人や事業者のものでは?」という方もいると思うが、自分の場合、貯金の一部を株や投資信託に回して運用らしきことをしており、その運用損益(とはいっても、黒字にするのは中々難しい)も計上する必要があって確定申告をしているといったところである。

これまでは、書類を作成して郵送していたのだが、とあるきっかけでマイナンバーカードを作っており、去年マイナポイントの申請用にと購入したが申請はWindows PCでないと行えないとのことでお蔵入していたカードリーダーがe-taxで使えるとのことで活用することにした。

用意したもの

自分の環境で用意したものとしては大体下記のようなものになる

PC (MacBook Pro)

国税局の作成コーナーで書類を作成するのに使用、これまでは申告書作成コーナーで書類を作成して印刷して税務署に郵送していたのだが、今回はこのPCにカードリーダーを接続して申告書の作成・申請を行う、ICカードの読み込みに対応したスマホタブレットでも申告・申請は可能だが、個人的にPCを使い慣れてるためこちらで申告・申請を行うことにした。

マイナンバーカード

前述した通り、以前とあるきっかけで作成しており、最初の頃は「何か使う機会があるのかいな」と思っていたのだが、これまで雇用保険の申請や住民票の取り寄せ、マイナポイント等で何かと使っており「普段は使わないが、行政と関わる時には意外に使う機会が出てくる」といったところなので作っておくと便利だと思う。

カードリーダー

購入時にMac対応であることと、マイナンバーカードが使えることを確認して購入

最初に接続した際に動作はしているようだが、カードが認識されていない気配があり「???」となってしまった。 しかしハードウェア情報を確認したところカードリーダーが認識されておらず「ドライバが必要?」と気づきメーカーのホームページを開いてドライバをインストール、その後確認したところカードリーダーも認識されて、マイナンバーカードも無事に認識できた。

源泉徴収票

給与所得者なら言わずと知れた書類、現在複数のバイトを掛け持ちしているのでバイト先分だけ用意。

保険会社の控除証明書

本来なら源泉徴収票に控除額が記入されており、本来なら必要はないのだが、今年に限っては通常は行う年末調整をしてなかったため用意。

株式や投資信託損益計算書

株や投資信託の損益が記載されている書類、以前は申告書に書類を添付して送付する必要があったが最近その必要がなくなり書類に記載されている損益を入力するだけで良くなった。

申告前の準備

とりあえずマイナンバーカードについては認識ができたので、国税庁の確定申告ホームページを開いたのだがe-taxのeの字も無い。 しかし「申告は便利なマイナンバーカードで!」というバナーをみつけたのでクリックしたところ案内に移動。

案内のページにあった「e-Taxの事前準備のご案内」というメニューをクリックし

次に申告書の送信方式を問われるのでマイナンバーカードを使った方法を選択。

するとマイナンバーで申告を行う場合の必要なステップが表示される。

マイナンバーカードとカードリーダーを持っていればステップ1〜3は済んだも同然で、ステップ4を開くと申告用のアプリケーションのダウンロードを求められるのでダウンロードしてアプリケーションのインストールを行った。

アプリケーションのインストールはインストーラーの指示に従えば問題はないが、アプリケーションはSafari拡張機能としてインストールされるのでインストール前にSafariを落としておく必要がある。

インストール後はSafariを起動して設定で拡張機能を選択する

申告関連の拡張機能が確認できるのでそれらにチェックを入れて閉じる

この後だが、Macのアプリケーションのディレクトリに「sakusei」というフォルダが作られており、その中にある「確定申告書作成コーナー.webloc」というリンクをダブルクリックして申告書類作成コーナーをSafariで開いて作成を行う。

申告書類作成

事業者や法人では損益計算書貸借対照表やそれらの取り引きをまとめた諸々の書類が必要になってくると思うのだが、申告書類作成コーナーでの作成は基本的に用意した書類に書かれている数字を作成時の案内に従って入力するだけでよい。

給与所得者の自分は源泉徴収票や株や投資信託損益計算書と各種控除証明書を用意して、そこに書かれている数字を入力しておけば問題はない。

加えて今回は一時期、国民健康保険国民年金を支払っていた時期があり、手元に一応支払い証明書を用意していたのだがe-taxではマイナポータル連携をすることで年金機構等から支払い記録を持って来ることができたのでそこのところは大いに助かった。

作成後

申告書類を作成したあと、マイナンバーカードをカードリーダーで読み込めば終了であるのだが、初回は利用者識別番号というのを作成する必要があるらしく、その手続きを行って終了。

申告してみて

以上が今回試してみたe-tax申請の流れである、マイナンバーカード・PC・カードリーダーを用意してインターネットに繋げて、給与各種書類にある数字を入力していけば良いので給与所得者のe-tax申請はお手軽であるといえるだろう。

ただお手軽な半面、事業者や法人と違い控除の額は微々たるもので「還付金で○○を購入」ということはほとんどできないと思った方がいい、しかしそれでもやってみると意外な気づきとかもあるので、面倒かもしれないがやってみることをオススメする。